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更新 1997/6/4
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1. 概要
Macintoshのシステムには、英語以外の言語(スクリプト)のテキスト処理を実現するための機能拡張として WorldScript という技術が使われています。日本語の入力もこの WorldScript の機能によって実現されています。WorldScriptの説明は、こちらのページをどうぞ。
この WorldScript 技術を使用してチベット文字の入力を実現するためのキットが Tibetan Language Kit です。このキットは、大谷大学真宗総合研究所がバックアップして、System 6.0x時代にアラビア語やヘブライ語のテキスト処理のための機能の開発に携わっていたアップルの元プログラマー、Steve Hartwell 氏が開発し、福田がフォントを提供して作成しているものです。
このキットをインストールすることによって、チベット文字入力の機能を現在のシステムに追加することができます。
2. チベット語スクリプトについて
チベット語のスクリプトは、Tibetan Language Kit ととして大谷大学真宗総合研究所から配布されています。入手方法については、こちらにご連絡下さい。
簡単な例をとってその機能を説明しましょう。例えば、「王様」を意味するrgyal po という単語を入力するとします。これはチベット文字では、
となりますが、そのうち最初の語の入力の仕方は、つぎのようなプロセスをとります。
ここで、最初のraという文字は、単独形ですが、その文字の下にgaという文字が付くと、その形が自動的に変化してrgaという形が画面に現れます。raの形が変わっても、そのために別のキーを打つわけではなく、またデータ上も別のコードが使用されるわけではありません。次に下にyaという文字が続くのですが、これも単独形のya
とは異なった形となって画面に現れます。しかし、内部コードは単独形のyaと同じです。
このように、入力される度に、前後の状況によって画面上の文字の形は変わりますが、内部のデータコードは一貫性のある仕方で記録されており、システムの方が形の一時的な変形の面倒を見ているのです。これを実現しているのが、WorldScript機能拡張というわけです。
3. Tibetan Language Kit の入手とインストール
Tibetan Language Kit は、大谷大学真宗総合研究所で配布されています。連絡先は、
〒602 京都市上京区寺町通今出川上ル二丁目
大谷大学真宗総合研究所 西蔵研究班
TEL: 075-212-5506
HomePage http://www.otani.ac.jp/cri/TLK/E-Mail TLK@cri.otani.ac.jp
インストール方法などは、上記Language Kitのマニュアルを参照して頂ければ、簡単にできるでしょう。大切なことは、WorldScript I 機能拡張、Tibetan スクリプトファイル、チベット語システムフォント(Kailasa)の三つを正しく所定の場所にコピーすることです。はじめてLanguage Kitをインストールするときは、あまり問題がないのですが、すでに何らかのLanguage Kitがインストールされている場合には多少留意すべき点があり、しかもそのことについて、マニュアルには書かれていないことがありますので、ここで簡単に Tips をまとめておきます。
この場合には、WorldScript I 機能拡張のヴァージョンは 7.5 です。大谷大学から配布されるキットの機能拡張のヴァージョンは 7.1 である場合があります。これらは両立しませんので、古いヴァージョンはインストールしないで下さい。そして、7.5 コンパチブルのチベット語スクリプトを入手し、WorldScript I はすでにインストールされているものをお使い下さい。
この場合には、古いものを一度アンインストールする必要があります。といっても、自動的にやってくれるわけではないので、自分でやります。この場合も基本は上記の三種のファイルです。いずれにせよ、WorldScript I 機能拡張と、Tibetan スクリプトファイルと、チベット語システムフォントとのヴァージョンをきちんと管理することが重要です。これらについて、もしトラブルがあるようでしたら、こちらまでご連絡下さい。
- まず、アップルメニューのコントロールパネルから「機能拡張マネージャ」を選択し、WorldScript I を外してから再起動します。
- この状態で、システムフォルダー内のSystemファイルをダブルクリックすると、その中にTibetanというスクリプト・アイコンがあるのが見えるようになります。これを外に出します(ないしはごみ箱に捨てます。)また、フォントフォルダーからKailasaフォントを取り出します。
- そして、再び、機能拡張マネージャでWorldScript I を組み込み、再起動してから、新しいスクリプトファイルをシステムフォルダーの上にコピーします。また、フォントも新しいKailasaをシステムフォルダーの上にコピーします。これらはシステムによって正しい場所にインストールされます。
- 最後にもう一度再起動することで新しいチベット語スクリプトが作動するようになります。
4. Tibetan Language Kit とコンパチブルなソフト
WorldScriptはアップルの標準的な技術ですが、これをサポートしているソフトは、必ずしも多くありません。それもせいぜい、WorldScript II すなわち、日本語や中国語をサポートしていることで「WorldScript対応」と称しているソフトが大部分です。WorldScript I に対応しているとしても、アップルがサポートしているアラビア語、ヘブライ語、キリル文字までで、たとえWorldScriptの仕様に準拠していても、チベット語のような複雑なスクリプトは、ソフトの作者には予想外のものらしいのです。そのため、チベット語が動くソフトは残念ながらそれほど多くはありません。以下に代表的なアプリケーションをご紹介します。
軽快・多機能なエディタ。一つの文書内は一つのフォントしか使えないが、その分、データの汎用性を維持できます。
アップル社純正のエディタ。複数のフォントを使うことができます。しかし、文書の容量が32Kに限定されています。また、タブが使用できません。
SimpleTextと同様のコンセプトで、もう少し機能を増やし、大きな文書を扱うことができるようにしたものです。
開発の過程からチベット語をできるだけサポートするようにしてきたワープロです。日本語や他のスクリプトを入力するのにも便利にできています。現在、日本で入手可能なものとしてほとんど唯一のワープロといいでしょう。極めて安価ですので、是非お買い求め下さい。
Pascal Write と同じ作者による軽快な表計算ソフトです。これも多言語対応です。
Macintosh 上で使われている、高機能なリレーショナル・データベースとしては、ほとんど唯一の製品。高機能なため色々なことができるが、その分、これを使うためにはかなりの専門的な知識が必要です。業者さん向けといっていいでしょう。この4Dのためにチベット語のソートや転写との間のコンバータなどを含む外部関数パッケージを開発しています。このソフトの性質上、一般の方の使用には適しませんが、もし腕に自信のある方がいらっしゃいましたら、ご連絡いただければ、提供いたします。なお、東洋文庫のデータベースは全てこの4D上で作成されています。
これは、東洋文庫で配布しているフリーウェアーのユーティリティ集です。現在の内容は、拡張ワイリー方式で入力された転写チベット文およびACIPのデータをチベット文字に、またその逆の方向に変換することができます。また、TibetanRemoveParenは、検索用にフォーリオや注記などの括弧に入った部分を、直後の
shad のあとに移動して、単語が途切れないようにします。その他、画面上でも見やすい Drepung フォントを含んでいます。
5. 質問はこちら
Tibetan Language Kit およびMacintosh 上でのチベット語処理について、ご質問がある方は、ご遠慮なく福田までご連絡下さい。
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